こんにちは、WOOD DEPOTのドアコンシェルジュ・北村です。
先日、大阪で飲食業「株式会社橋本屋」を営む稲靏(いなづる)様が、ショールームにお越しくださいました。若くして多くのスタッフを束ね、独自の視点で飲食業界に新しい風を吹き込む稲靏様。
彼がなぜ、新店舗の鍵となるアイテムとして、私たちの「アンティーク仕上げの木製室内ドア」を選んだのか。その理由を伺う中で、非常に深いお話を聞くことができました。
アンティークを探しても“合わない”理由
一点ものの魅力と実用面のジレンマ
稲靏様が当初探されていたのは、本物のアンティークドアでした。しかし、理想と現実の間には大きな壁があったと言います。
稲靏さん: 「パウダールームのドアなんですけど、サイズが小さくて。アンティークで探したんですけど、なかなか合うものがなかったんです」
本物のアンティークは一点ものゆえの魅力がありますが、規格が合わなかったり、耐久性に不安があったりと、実用面で苦労することも少なくありません。
北村: 「本物のアンティークは素敵なんですけどね。ただ、サイズが合わなかったり、状態がボロボロすぎたりすることも多いのが実情です」
稲靏さん: 「そうなんですよ。それで画像検索をしていたら御社が出てきて。アンティーク仕上げの木製室内ドアの雰囲気が、他と全然違ったんです。取ってつけた感じがなく、画像からもその質感を伝わってきました」

(ショールームでドアのディテールを確認しながら、理想の空間を語る稲靏様)
「空間が味を変える」という哲学
お客様を圧倒する空間体験の重要性
対談の中で、私が最も感銘を受けたのが「食と空間」に対する稲靏様の考え方です。
稲靏さん: 「僕は、半分は空気(空間)で味が変わると思っています。高価なコース料理を出す店の体験を、お手頃価格で感じてもらいたい。空間がお客様を圧倒していれば、味の感じ方さえも変わるんです。器、空間、ドア。すべてがセットなんです」
この言葉に、私は感激いたしました。 料理が主役であるのはもちろんですが、その味を何倍にも引き立てるのが空間の力。ドアはその空間への「表現」であり、お客様の期待感を高める重要な役割を担っています。
新しいもの × 古いもののハイブリッド
既成概念に縛られない新時代のスタンダード
稲靏様の店づくりは、既成概念に縛られません。
稲靏さん: 「僕はジャンルを決めたくないんです. 和とか洋とか。新しいものと古いものを合わせたい。洋のアンティークと和の古材。違うけれど、合う。そこに新しいスタンダードを作りたいんです」
組織運営においても、その柔軟な姿勢は貫かれています。
北村: 「私はドア一筋ですが、稲靏様はマルチに活躍されていますよね。たくさんのスタッフ様を束ねてらっしゃるのに、『僕は何もしていない、ルールを作らず人を見て伸ばすだけ』とおっしゃる。その経営哲学には驚かされます」
料理とドアが響き合う場所へ
ただの新品でもなく、単なる模倣でもない。 丁寧に時間を纏わせた、私たちのアンティーク仕上げの木製室内ドア。
それが大阪の新しい店に収まる時、一体どのような化学反応が起きるのか。
お話を伺いながら、私は思いました。 私たちはただドアを売っているのではない。お客様が描く「世界観」の一部として、その物語に参加させていただいているのだと。
空間が味を変えるなら、その物語はきっと、一枚のドアを開ける瞬間から始まっています。
