店舗のドア、最適な「開き勝手」はどう決める?
「店舗のリノベーションを考えているけれど、ドアの開き方はどう決めるべき?」 「路面店を開業する際、道路境界線とはどう向き合えばいいの?」
そんな疑問を抱えるオーナー様へ。実は、店舗の立地条件や目指すスタイルによって、最適な「開き勝手」は異なります。
1. 道路境界線やシャッターとの干渉を防ぐ「内開き」という選択
法的・安全面でのメリットと運用効率
多くの路面店では、敷地いっぱいに建物を建てるため、道路境界線と入口が非常に近いケースが少なくありません。
境界線へのはみ出しを防止: 外開きのドアにすると、開けた際にドアが境界線から公道へはみ出してしまうことがあります。
法的・安全面でのメリット: 道路境界線から玄関ドアがはみ出すのを防ぎ、安全かつスムーズな入店動線を確保するために「内開き」は非常に有効な解決策です。
歩行者への配慮: 通行人の妨げにならないため、周囲の環境に配慮した店舗運営が可能です。
テナント特有の「シャッター干渉」を回避: 建物内テナントでシャッターの内側にドアを設置する場合、外開きではドアがシャッターに干渉してしまいます。
運用面でのメリット: また、シャッターを閉めた状態では店内からドアを開けることができるので、こうした環境では「内開き」が必須の条件となります。

敷地を最大限に活かす設計。 境界線やシャッターとの干渉が懸念される場所でも、内開きなら存在感のある親子ドアや観音開き(両開き)なども採用しやすく、堂々とした構えの店舗外観を実現できます。
2. 世界基準のスタイル、欧米で主流な「内開き」の魅力
本物志向の世界観とおもてなしの所作
店舗デザインにおいて、本物志向の世界観を目指すなら、ドアの開き方のルーツにも注目してみましょう。
欧米のスタンダード: 欧米では玄関ドアは「内開き」が主流となっています。
防犯と文化: 歴史的には不審者の侵入を防ぎやすいという防犯上の理由がありますが、現代では文化的なスタイルとしても定着しています。
おもてなしの所作: お客様を迎え入れる際に「どうぞ、中へ」と招き入れるような優雅な動作が生まれるため、プライベートサロンなどの上質な接客を重視する空間にふさわしい演出となります。
3. 日本で「外開き」が主流となっている理由
日本の住宅文化と環境への適応
一方で、日本の店舗デザインや一般住宅では「外開き」が多く見られます。
日本の住宅文化: 日本では玄関で靴を脱ぐ習慣があるため、室内の限られたスペースを広く使えるよう、外開きが主流になりました。
雨仕舞の知恵: 多湿で雨の多い日本では、雨水が室内に入りにくい構造として外開きが好まれてきた背景もあります。
慣れ親しんだ動作: 多くの日本人にとって使い勝手がよく、スムーズに開閉できるメリットがあります。

4. 空間の「ゆとり」と「光」をデザインする
ドアを開けた瞬間に広がる「体験」をデザインする
WOOD DEPOTでは、標準的な片開きドアに加え、間口を広く取れる親子ドア、そして格式高い観音開き(両開き)の3つのラインナップをご用意しており、お店の規模やスタイルに合わせてお選びいただけます。
どちらの開き方を選んでも、大切なのはドアを開けた瞬間に広がる「体験」です。
店内に光と情緒を招き入れる。 扉の開き方ひとつで、外から差し込む光の角度や、お客様を迎える店舗インテリアの見え方が変わります。

まとめ:店舗の立地とコンセプトに合わせたベストな選択を
店舗リフォームにおけるドアの開き方は、「立地(道路境界線)」と「お店のコンセプト」のバランスが重要です。
境界線が近い場合: 安全性を確保し、公道へのはみ出しを避ける「内開き」がおすすめ。
欧米風の世界観を重視する場合: 本格的なスタイルを取り入れ、招き入れる所作を大切にする「内開き」で差別化を。
利便性と日本の習慣を重視する場合: 室内を広く使い、馴染み深い動作で迎えられる「外開き」を。
WOOD DEPOTでは、オーナー様の理想の店舗デザインに合わせて、内開き・外開きのどちらにも対応した木製ドア枠のご用意がございます。 実際のご注文は外開き仕様のお客様が大半で、通常は外開き仕様をメインに販売いたしておりますが、内開き仕様をご希望の場合も対応可能ですので、必要に応じてお申し付けください。
「うちの敷地条件なら、どちらの開き方がベストだろう?」と迷われた