READS
2025/05/14
小さな庭と、大きな愛情

植物とともにある暮らしに、心がほっこりした瞬間でした。
「このぶどう、もう10年になるんです。」
サンルームの軒先から、伸びやかに葉を広げるぶどうの蔓。
風に揺れる小さな実が、穏やかな午後の時間を与えてくれます。
ご自身の手で塗り重ねたという木の柱。
その色合いには、丁寧な時間の積み重ねと、暮らしへの想いが静かに宿っていました。
「素人なんですけど、休みのたびに少しずつ…」
その控えめな口調の奥に、住まいと向き合う誠実な姿勢が感じられ、思わず胸があたたかくなりました。
育てるということ
この暮らしの設計を手がけたのは、一級建築士であるご自身。
「うちは、暮らしの実験台なんです」と、微笑まれました。
植物を育てるように、家や家具、そしてドアとも寄り添いながら過ごす。
経年の変化を受け入れ、その中に美しさを見出す感性に、心を打たれます。
「メンテナンスも、“どうにでもなる”んですよ」
そうおっしゃる口ぶりには、無理をしない自然体の暮らしと、
モノを慈しむ優しさがにじんでいました。
暮らしにそっと馴染む一枚のドア
今回お届けさせていただいたのは、
やわらかなヴィンテージ仕上げの木製ドア。
サンルームや庭の緑と美しく調和し、
まるで以前からそこにあったかのように静かに佇んでいます。
「このドア、本当に家にぴったりですね」
その一言をいただいた瞬間、心の奥にふわりと温かい灯がともりました。
穏やかな風景の一部として
植物と向き合うように、日々の変化を受け止めながら暮らす。
そんなお住まいの中に、私たちの木のドアがそっと溶け込んでいることが、何よりの喜びです。
あとがき
私たちが届けたいのは、ただの「製品」ではありません。
それは暮らしに寄り添う、静かなアイテムでもあります。
手をかけ、時とともに味わいが深まる空間に、
その一枚の木製ドアが、やさしく彩りを添えられますように。