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2025/05/07
古民家に灯る、小さな洋菓子店の物語。

アイシングクッキーとケーキのお店『アンコンシェル』様へ
雨のしずくが土間を濡らす静かな午後、私はある一軒の小さな洋菓子店を訪れた。
そこは築75年の古民家を見事にリノベーションした、まるで時間が止まったかのような空間。
木の温もりに包まれ、飾らないけれど確かに美しい、そんな場所だった。
古き良き昭和の記憶が甦る古民家をリノベーション。
和と洋が調和する店内で、心温まるスイーツと癒しのひとときを楽しめる洋菓子店。
人生を重ねた先に辿り着いた、やさしいお菓子の時間
店主は、かつて「パティシエ」という言葉すら馴染みのなかった時代から、菓子作りに情熱を注いできた女性。
結婚や子育てを経て、再び「自分の時間」を見つけ、古い家に命を吹き込むように、菓子作りを再開。
やがてたどり着いたこの空間で、ドアやふすまのひとつひとつにまで想いを込めながら、丁寧にお菓子を焼いている。
木製ドアが紡ぐ、空間と想いのつながり
「お菓子なんて大したことないんです、雰囲気に助けられてるだけ」と笑う店主。
でも、その言葉の裏にある、積み重ねてきた年月と、小さな挑戦の数々は誰よりも確かなものでした。
使われたのはヴィンテージ仕上げの木製玄関ドア。「アルミじゃダメなんです、この建物には」と、迷わず選んでくださった。
木製ドアが生きることで、この空間の鼓動がよりはっきりと聞こえてくる気がした。
人の温もり、ものへの愛、空間を育てていく時間。すべてがこの店には、静かに息づいている。
大阪府東大阪市 アンコンシェル様のインスタグラムはこちら→https://www.instagram.com/arc_en_ciel935/