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2025/05/28
SHOP - 50 | 倉庫リノベーションプロジェクト訪問記

ひときわ存在感を放つ建物が、静かにそこに建っていました。 「倉庫」と聞いて思い浮かぶ無機質なイメージとはまるで違う、どこか温かみのある佇まい。
私が訪れたのは、岐阜県各務原市に佇む、豊桑産業株式会社様が所有する倉庫をフルリノベーションされた建物。この日は、ヴィンテージ仕上げの木製ドアをふんだんに使っていただいた実例を実際に拝見できる、待ちに待った訪問日でした。
岐阜県各務原市 豊桑産業株式会社 様のリノベーション。
ヴィンテージと素材美が光る圧巻の空間に。
心奪われる、倉庫のリノベーションの完成形!
黒く焼かれた板張りの外壁が、既に時を重ねたような深みをまといながら空を背にそびえ、まるで海外にトリップしてしまったかのようでした。ファサードの無機質な壁や土間コンクリートの中に、しっかりと出迎えてくれるヘビーなヴィンテージ仕上げの木製玄関ドア。その入口に立った瞬間、「これは、ただのリノベーションではない」と直感しました。
「このドアがあるから、空間が生きる」
玄関ドアを開けて一歩中へ、まさに圧巻でした。
まず感じたのは、見事なまでの木の温もり。無垢のフローリングの柔らかい踏み心地、左官仕上げの壁の風合い、鉄骨の梁と見せる配線…。どこを見ても感性が高次で共存していました。
なかでも要所要所に配られたヘビーなヴィンテージ仕上げの木製ドアたち。節や傷、何十年も時を経たかの様な雰囲気を醸し出し、それらが空間の要として、まるで語りかけるように配置されていました。
薪ストーブのあるダイニングスペース、ガラス越しの光、石を詰めたメッシュの壁。この場所に座るだけで、ワクワクした会話が始まりそうな余白が、空間のそこかしこに漂っていました。
社長様の言葉がリノベーションの核心を射抜く
ご案内くださった豊桑産業の社長様は、笑顔でこう語られました。
「私も、そして社員たちも、WOOD DEPOTのドアが大好きです。今回のショールームは、御社のドアをベースにデザインを進めました。おかげで素敵な空間に仕上がりました。本当にありがとうございます。ドアの配置や照明、配管など、多くを参考にさせていただきました。」
“木製ドアをベースにデザインを進めた”という言葉に、私たちは深く感激いたしました。建物そして空間の中心に木製ドアがあるという、私たちが信じてきた思い。それがこうして現実の空間となり、機能だけでなく心に作用する場をつくり出している――。その事実は、何よりの喜びです。
建築は、人の想いが形になる場所
この建物は、単なる空間ではありません。働く人の背中をそっと押し、訪れる人の心を整える「感情に触れる空間」でした。そしてその入り口に、WOOD DEPOTのドアがある。
リノベーションは、ただ“つくる”だけでは完成しません。そこに生まれる時間や使う人の思いと共に育ち続けていくもの。今回の訪問を通じて、木製ドアとは空間の「始まり」であり、日々に寄り添う“器”であると、あらためて確信しました。
豊桑産業様、このたびは素晴らしい空間づくりに私たちをお招きいただき、本当にありがとうございました。これからもこのドアの先に、たくさんの物語が紡がれていくことを、心から願っております。